高砂の尾上の桜咲きにけり
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音に聞く高師の浜のあだ浪は
夕されば門田の稲葉おとずれて
寂しさに宿を立ち出でて眺むれば
嵐ふく三室の山のもみじ葉は
心にもあらで憂き世にながらへば
春の夜の夢ばかりなる手枕に
もろともにあはれと思へ山ざくら
恨み侘びほさぬ袖だにあるものを
朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえに